toggle
2009-01-05

川西の家 竣工


08年12月に川西の住宅が竣工しましたので紹介します。
工事過程の様子も記録がありますので後に更新したいと思います。

リビング・ダイニング
床は無垢フローリングを使い、天井材の梁を一部表しとして木造の質感を出しています。右側の壁面収納は大工工事で作ってもらったものでテレビや本を収納してもらえるよう可動棚になっています。
空調効率や収納スペースをできるだけ取りたいなどの理由から吹き抜けは設けていません。

キッチン
キッチンを普段使う方にとってオープンにしたいかクローズにしたいかは様々です。今回はキッチンに居ながらにして、リビングやダイニングにいる子供の様子をうかがえたり、家族一緒にテレビを見たり、というコミュニケーションができること、しかし完全にオープンにはしたくないということでした。そのようなことからキッチンはカウンター形式ではあるが完全にオープンではなくカウンターの手元は隠せるように立ち上がりをつけた形式としています。
キッチンから洗面所の動線が近いことも喜んでいただきました。

階段
設計段階から「緩やかな階段にしたい」という要望があり、段数を多く階高を抑えて設計しています。また敷地の形状が南北に長く奥に光を取り込むことが難しいことから、階段にトップライトを設けて1階のダイニングにも自然光が入るようにしています。
この階段を実際に歩いてみると非常に楽でこれからはこの勾配を標準にしたいと思えるほどでした。
また、リビングを通って2階に行くのは、家族が家に帰ってきて直接自分の部屋に入ってしまわず、家族のパブリックな空間を介してほしいという建築主さんの考え方が反映されています。


子供室
現在はお子さんが1人ですが将来2人になったときには部屋の中心に間仕切り家具を製作し部屋を仕切ることを想定しています。日当たりのよい部屋にしてほしいという要望がありましたが、敷地南側も面する建物がいつ建て替えられておかしくない状態であったので、あえて子供室を北側に配置しハイサイドライトから光を取り込んでいます。この片流れの屋根形状が前面道路からのトンガリ屋根として見えています。

左:子供室 右:ウォークインクローゼット
収納を多く取りたいということだったので、廊下をできるだけ少なくして主寝室へはウォークインクローゼットを通って入るプランとしています。こちらはプライベートな空間でお客さんは入らないという前提です。ここにはすでに所有されているタンスなども置いてもらえるようにしています。建売やマンションでは間取りに一般性が必要ですが、このように特定の住まい手にとっての重要事項をもとにプランニングできることは0から設計する大きなメリットと言えます。

主寝室
シンプルで壁一面を収納としています。建築主さんが医療のお仕事に携わられていることから日中に静かに就寝できるよう各部屋の配置に配慮しています。

外観
ガルバリウム鋼板を使用しています。塗装色は建築主さんの希望や日照面のことを考慮しています。南側(道路からはあまり見えない)はシルバーとしています。
ガルバリウム鋼板といっても今回は塗装の種類、断熱材付のもの、スパンドレル、波板、そして各形状について様々な検討を行い、時には建築主さんと周辺の建物を一緒に見に行き決定しました。足場が取れるまでうまくいくか心配でしたが隅部の納まりなどについても検討したので素材のコスト以上にうまくいきまし、建築主さんもイメージ通りだったようです。
今回は最終的に基本計画からの予算にもうまく納まり、引渡しの日には建築主さんに大変喜んでいただけたのがなによりです。
各工事の様子についても追々更新したいと思います。

関連記事