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2012-01-17

福医建例会「パーキンソン病 日常生活上の工夫」

 1月14日(土)に千里山の関西大学月が丘住宅にて福医建研究会例会があり参加しました。

今回のテーマは「パーキンソン病 日常生活上の工夫」で、作業療法士の藤原太郎さんによる3回シリーズの最終回となる講習でした。
概要として
・50~60歳で発症が多い
・発症率は1000人に1人
症状は
・筋肉がこわばる
・動作が遅くなる
・手などが震える
・姿勢が保てなくなる
原因は
・中脳から出るドーパミン(神経伝達物質)が減少することにより体への司令がうまく伝わらなくなること
症状により5段階に分類され、ゆっくり進行する傾向にあるが、改善することもあるそうです。今日ではこの病気が原因で死ぬことはなく、それだけにより日常生活の工夫が望まれます。
パーキンソン病の方は、いままで無意識でできていた動作が特に意識しながらでないとできなくなったり、複数の動作を行うことが難しいそうです。
工夫のポイントとしては
できるだけ単純な運動
ひとつひとつの動作を確実に→目印や音
心理的にリラックスできる→運動と感情のつながり強い
早めに動作や環境を変更→繰り返し慣れることで習得も可能
が挙げられていました。
手すりにしてもトイレの動作位置の目印として、または移動する目標としてなどの使用のされ方もあるそうです。
また部屋でも床をしっかり確保することは大切で、障害物や床の仕上げの切り替えで足の動作が小刻みになってしまい転倒の可能性があるとのことです。
(施設の廊下で床仕上げの色を規則的に変えて、それを目印に歩きやすくなったという事例の話もありました)
パーキンソン病は服薬により症状の変化が大きく、量や時間など細かい調整を要し、それゆえに、住宅改修などを行うとしてもどの状態のときの日常生活動作ができるように改修するのかを確認する必要があるようです。


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