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2008-05-25

地盤調査-スウェーデン式サウンディング


川西での地盤調査の様子(機械式)
 兵庫県川西市にて建設予定の木造2階建住宅の計画の為に地盤調査を行ったので地盤調査について書いてみます。
 地盤調査は基礎の形式や地盤改良、杭の必要性を決定するために行います。
地盤調査を行わずに設計してしまうと、不同沈下(地盤の一部が沈むこと)、建物の傾き、外壁のひび割れなどの原因となる可能性があります。
木造住宅を建てる場合でも平成12年の改正建築基準法で、地盤の強度に応じた基礎の形式を規定しているため実質的に調査が義務となっています。
 木造住宅の地盤調査にはスウェーデン式サウンディング試験が多く用いられます。これは調査費用がローコストである、既存家屋があるところでも庭先などで調査できる、小規模な建物で重要となる基礎直下のデータを判読しやすい、などの理由が挙げれられます。
戸建住宅で平面形状が四角形の場合は建物の各隅と中心の計5ヶ所の調査を行うことが一般的です。
 方法はロッドという鉄の棒を調査地点に垂直に立てて、徐々に荷重をかけて約102kg(1000ニュートン)まで加えます。この途中でロッドが沈んでいく状態を「自沈」と言います。そして沈んでいかない場合は1000Nの荷重をかけたままロッドを回転させて地中へ貫入させていきます。
スウェーデン式サウンディング試験では25cm毎に地質を評価します。自沈の場合は25cm沈むのにかけた荷重を記録します。沈まない場合は25cm沈むのにどれだけ回転させたか(半回転を1Na)を記録します。地上から7、8mくらいまで測定することが多いのですが、しっかりした地盤(支持層)が確認されるとそこで調査は終了します。またスウェーデン式サウンディング試験では少し大きな石に当たると貫入できなくなってしまうのでポイントを少しずらして再測定したり土地の状況に応じた方法をとるようです。
 このような現地調査の後に地盤の支持力を算出します。その時には地盤が砂質土か粘性土かによって算定式が異なりますが、スウェーデン式サウンディング試験では土を採取できないので、貫入するときの音で調査員が判断したり、周辺のボーリングデータを参考にして決定します。
これらの調査は地質調査の業者が行い、それを瑕疵保証の会社が解析し、基礎の形式や地盤改良の方法について「このようにしてくれれば保証する」ということになります。
基礎直下から2mまでの深さに自沈層がある場合は、ほぼ何らかの地盤改良が必要になってきます。
今回の計画地では地表から2m前後の位置に固い支持層がありましたが1m程の所に自沈層を含んでいました。
これらを瑕疵保証会社に解析以来したところ部分的に土の置換え工事を行い、基礎形式はベタ基礎とすることになりました。
置換え工事は表層改良などよりは簡易な工事です。また地盤改良については現場進捗とともに書きたいと思います。

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